喫茶店でおばあちゃんが詐欺に遭っているのを見てしまったらどうしたらいいんでしょうか？昼過ぎに喫茶店に入ったところ、すぐ近くに座っていたサラリーマンとおばあちゃんの話が聞こえてきたのですが、ちょっと詐欺っぽかったんですよ。サラリーマンは50代くらい、おばあちゃんは70～80代くらいかな。
ずっとお金の話していて、なんだろうなと思ってたんだけど、サラリーマンが手書きの契約書みたいのをおばあちゃんに渡して、おばあちゃんが「これってどういうこと？」って聞いたら「300万円を今月末までに返します。元金利息倍返し」とか言っていて、「もし必要になったら連絡くれればすぐ振込みますから」と。
チラッと見たら「米ドル」とか書いてあったんですよね。どうやらおばあちゃんから300万円あずかって、米ドルを運用してどうのこうのみたいです。
「絶対」とか「全部段取りしてくれてるから」とか言ってて、このあたりから「これ、やばいやつだ…」と思いました。「絶対」という言葉を使うやつはやばいやつです。
しかも「前に話した5000万のは、あれは別だよ」とか言ってるじゃないですか！えっ5000万円の話もしてるの！？おばあちゃん、そんなお金動かせるなんて資産家なの…？
そしてたたみかけるように「この間話した油がとれる植物、そう、インドネシアの。ハヤシさんっていう人がやってるから、今度紹介するから」とか「〇〇さん（おばあちゃんのこと）がすごい苦労してるの知ってるから。○○さんが残りの人生でやりたいこと、全部応援するから」とか言ってるんですよ。
このあたりから、「おばあちゃん、すごい苦労してるんだ…。おばあちゃん…これ、たぶん詐欺だよ…どうしよう…」ってハラハラしてきちゃったんですよ。
そして詐欺師がもう次のアポがあって時間ないとか言いつつ、
「太陽光パネルにこのシートをはると発電量が2倍になる」
「シート上で発電する特別なのもあるの」
「電気代タダになる」
「農業革命を起こすんだって！」
「この会社、僕が副社長やってる会社なの」
「外国と共同開発してる」
「いまものすごい注目されてる」
「ネットには出てない」
「特許取ってる」
「これ、マル秘だから」
とたたみかけます。全部、あやしすぎないですか？もう、ハラハラを超えて、怒りがフツフツと。おまえ、苦労してるおばあちゃんにどんだけ詐欺話持ちかけるんだ！
で、詐欺師が先に喫茶店を出て行ったので、おばあちゃんに話しかけるチャンスだったのですが、ドキドキしてしまって話しかけられず、おばあちゃんは残った飲み物を少し飲んで席を立ちました。足がちょっと悪いみたい。それを見て、もう泣きそうになってしまった。しかもお会計、おばあちゃんがしてた。詐欺師、よっぽどお金ないんだよ。普通、詐欺師が会計持ちません？そんなことない？マルチの人は勧誘してる側が払ってるイメージなんですけど、勧誘されたことがないので実際にはよくわかりません。
おばあちゃんが会計してお店から出て行ったときに「やっぱりおばあちゃんに言わないと！」と思って私も会計して、おばあちゃんが立ち去った方向に行ったのですが、もうおばあちゃんいませんでした…しばらくウロウロして探したんですけど、会えず。喫茶店で話しかけていれば…涙。本当に後悔しています…。トボトボと、しょんぼりした顔で帰りました…。後悔先に立たずっていうのはこういうことですか。しなかったことを悔やむよりも、したことを悔やんだほうがまだマシなんでしょうか？思い切って喫茶店で話しかければよかった…。
こういうとき、みなさんは、被害者と思われる方に声かけられますか？詐欺師が先に出て行ったので、話しかけるチャンスがあったのに、私は勇気がなくて話しかけられませんでした…。苦労してきたおばあちゃんを騙すなんてひどくないですか？苦労して貯めたお金かもしれないし、相談できる親しい人とかもきっといないんだろうなと思うんですよね。寂しいから、詐欺に遭っちゃう。
心に隙間があるというのは恐ろしいもので、悪いものほどスッと入り込んできます。私も今、隙間があるからわかります。誰かにやさしくされたら、もしその人がなにかを企んでいたとしても、気付かないふりをしてしまうと思います。だって寂しいんだもん。気付いてしまったら、また寂しいに逆戻りだもん。
あのおばあちゃんは、私の未来の姿かもしれないと思ってしまって、なんとも言えない気持ちです。悲しすぎる未来。でももしかするとおばあちゃんは詐欺だって気付いていたのかもしれない。劇団ひとりの小説にそういうのありましたよね。オレオレ詐欺だってわかってるのにひっかかってあげるおばあちゃんの話。気付いていたにしろ、気付いていなかったにしろ、悲しすぎる。
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